はじめに

今回は、メディアプレイヤー「聞々ハヤえもん ぶんぶん はやえもん」を紹介します。 普通のメディアプレイヤーとしても使うことが出来ますが、「聞々ハヤえもん」の特長は、再生速度や音程・周波数などを変えられることです。
他にも再生速度を変えられるプレイヤーはありますが、音程が変化してしまったり、音質がかなり落ちてしまうものがほとんどです。
その点、「聞々ハヤえもん」では、再生速度を変えても音程は変化せず、音質の劣化もあまりありません。
また、再生速度や音程を変えた状態で、ファイルに保存することも出来ます。

※動画ファイルも読込可能となっていますが、私の環境では .avi .wmv のファイルしか読み込むことが出来ず .flv .mp4 などを読み込もうとすると、不正終了してしまいます。
また、動画ファイルの再生速度や音程を変えると、音声と画像がズレてしまうらしいです。

「聞々ハヤえもん」の用途

再生速度や音程を変えられるという特長から、次のような使い方に向いています。

1.歌や楽器の練習・コピー(耳コピ)
2.外国語会話(リスニング)の勉強
3.会議等の録音や「PodCast」の再生速度を速くして時間節約
4.逆に会議等の録音の再生速度を遅くして文字起こし

実践パソコン環境

Windows7 Pro 64bit SP1 + PC-Talker7 2.12
※2015年9月 現在

ソフトの概要

ソフト名 聞々ハヤえもん
動作OS Windows 7 / Vista / XP
種別 フリーソフト
作者 山内 良太 様
公式サイト: 聞々ハヤえもん公式サイト/MP3プレイヤー フリーソフト
読込可能ファイル mp1 mp2 mp3 wma wav aiff ogg (抜粋)
必要なランタイム DirectX 3 以降
DirectX についてはこちらを参照してください (ページ内リンク)

ダウンロードとインストール

ダウンロード

公式サイト
聞々ハヤえもん公式サイト/MP3プレイヤー フリーソフト
にアクセスして、

聞々ハヤえもん日本語版を無料ダウンロード

の所から、zipファイルをダウンロードします。

または、下記のページからもダウンロードすることが出来ます。

聞々ハヤえもん - 窓の杜ライブラリ

インストール

ダウンロードした「Hayaemon274.zip」を、適当な場所に解凍します。
(274 は、2015年9月現在の最新安定版のバージョン)

解凍すると、「Hayaemon2」というフォルダが得られます。 このソフトはレジストリを使用しないため、インストール作業はこれで終わりです。

アンインストール

解凍して得られた「Hayaemon2」の中のファイルを、フォルダごと削除します。
このソフトはレジストリを使用しないため、アンインストール作業はこれで終わりです。

使い方

ここでは、「聞々ハヤえもん」の一部の機能についてだけ、操作の手順を紹介しています。 他の機能については、下記のオンラインマニュアルを参照してください。

聞々ハヤえもん オンラインマニュアル (別ウィンドウで開きます)

起動と終了

起動

「Hayaemon2」のフォルダを開き、「Hayaemon.exe」を実行します。 「Hayaemon.exe」にカーソルを合わせて Enterキーを押すか、マウスでダブルクリックします。

終了

「ファイル」メニューから「終了」を選んで Enterキーを押します。または、Alt + F4 を押します。

「聞々ハヤえもん」の画面構成

設定を何も変更していない状態の「聞々ハヤえもん」の画面構成は、次のようになっています。Tabキーを押すと、この順版にそれぞれの部品(項目)を移動することができ、最後にまた元の部品に戻ってきます。
なお、表示設定の変更は、「表示」メニューから行なうことが出来ます。

ビデオ画面

動画を再生させると、この領域に表示されます。ただし、Tabキーではフォーカスを当てることは出来ません。

シークバー

「○○(ファイル名) - 聞々ハヤえもん のトラックバー」とガイドされます。
再生中のファイルの再生箇所を移動させることの出来る部品で、左右矢印キーで操作します。

右矢印キー … 再生箇所を先に進める
左矢印キー … 再生箇所を前に戻す

再生速度 再生周波数 音程 音量 パン

以下の 再生速度 再生周波数 音程 音量 パン の項目は、その項目の名前を読みません。
この部分は、共通の形になっていて、それぞれの項目に、左にスピンボタン、右にトラックバーが配置されています。

スピンボタンは、上下矢印キーで数値を選択する他に、数値を直接入力することも出来るようになっています。
「% のエディット 文字入力…」とガイドされます。

トラックバーは、シークバーと同様、左右矢印キーで数値を選択します。

この部分の部品は、以下の順に配置されていて、Tabキーで移動します。

再生速度
再生周波数
音程
音量
パン (右・左チャンネルのバランス)

※これらの項目は、メニューから数値を指定することも出来ます。 この部分の操作がわかりにくい場合は、メニューから操作してください。
私自身も、この部分はほとんど触ることはありません。

不要な部品をウィンドウから消す

(2015年9月26日:追記)

上で挙げた 再生速度 再生周波数 音程 音量 パン の五つの部品は使わない、要らないという場合は、それらの部品の全て または一部をウィンドウから消すことが出来ます。

「表示」メニューから、下矢印キーでそれぞれの項目にカーソルを合わせます。
項目名の後に「チェック」と読むものは、その部品がウィンドウ上に表示されていますので、Enterキーを押します。 すると、ウィンドウからその項目の部品が消えます。

五つの部品を全てウィンドウから消してしまうと、ウィンドウ上には、ビデオ画面・シークバー・再生リストの三つの部品しか表示されなくなりますので、シンプルで使いやすくなります。

再生リスト

再生リストは、ウィンドウの一番下にあるため、Tabキーで移動してくるのは面倒です。Shift + Tab で、すぐに移動することが出来ます。

再生リストは、タテ一列にファイル名が表示されています。 上下矢印キーでファイルを選択して Enterキーを押すと、そのファイルが再生されます。

別の曲を再生する時は、Ctrl + S で再生を停止してから、同じように上下矢印キーでファイルを選択し直して Enterキーを押します。

再生リストからファイルを消去するには、消去したいファイルにカーソルを合わせて、「編集」メニューから「削除」を選んで Enterキーを押します。

再生リストにファイルを追加するには、「ファイル」メニューの「追加」からファイルを追加します。
※「ファイル」メニューの「開く」からファイルを開くと、再生リストの内容が消去されます。詳しくは、「ファイルを開く」「音楽を再生リストに追加する」の項目を参照してください。

この再生リストは、タブシート形式になっていて、タブを追加したり名前を変更したりすることが出来るのですが、残念ながらキーボードでは操作が出来ないようです。
どうしてもタブシートを操作したいという場合は、Ctrl + Alt + _ で、PC-talkerのマウスカーソル読みをオンにして、「タブコントロール」「無題」というように読む所をクリック または右クリックして操作してみてください。

ファイルを開く

「聞々ハヤえもん」でサウンドファイルを開いて再生するには、二つの方法があります。 「ファイル」メニューの「開く」と「追加」の項目の二つです。
ここではまず、「開く」について説明し、その後に「追加」について説明していきます。

「ファイル」メニューから「開く」を選んで Enterキーを押します。

ファイルを開くダイアログボックスが表示されますので、再生したいファイルを選んで「開く」ボタンを押します。

選択したファイルの再生が始まります。
この時、再生リストにファイルが追加されていると、その項目が再生リストから消去され、開いたファイルだけが再生リストに表示されます。

sendtoフォルダに、「Hayaemon.exe」のショートカットを作成して、送るメニューから「聞々ハヤえもん」を起動した場合も、この「開く」項目と同じ挙動になります。

音楽を再生リストに追加する

次は「追加」です。「ファイル」メニューを開き、下矢印キーで「追加」を選んで Enterキーを押します。

ファイルを開くダイアログボックスが表示されますので、追加したいファイルを選んで「開く」ボタンを押します。
すると、再生リストにファイルが追加されます。

再生コントロール

再生コントロールの操作は、メニューバーの「再生」メニューから、または、ショートカットキーで行ないます。
再生メニューには、さまざまな項目がありますが、ここでは基本的なものだけ紹介しておきます。

再生/一時停止 … Ctrl + P または Spaceキー
停止 … Ctrl + S
早送り … Ctrl + Shift + F
巻き戻し … Ctrl + Shift + B

再生速度の変更

Altキーでメニューを開き、右矢印キーで「エフェクト」に移動します。
スクリーンリーダーの音声が聞き取りにくい時は、Spaceキー または Ctrl + P を押して、再生を一時停止しておきます。

下矢印キーで「再生速度」を選択して、右矢印キーでサブメニューを開きます。

サブメニューの項目から、上下矢印キーで変更したい速度を選んで Enterキーを押します。

このサブメニューの中に、変更したい速度の項目が無い時は、「速度指定」を選択して、右矢印キーでサブメニューを開きます。

このサブメニューには、50% 〜 400% という項目が並んでいますので、希望の速度を上下矢印キーで選択して Enterキーを押します。

再生を一時停止している場合は、Spaceキー または Ctrl + P を押して再生を再開します。 すると、指定した速度で再生が始まります。

音程の変更

「エフェクト」メニューから下矢印キーで「音程」項目にカーソルを合わせて、右矢印キーでサブメニューを開きます。

サブメニューの中から、上下矢印キーで希望の項目を選択して Enterキーを押します。

このサブメニューに希望する項目が無い時は、「音程指定」にカーソルを合わせて、右矢印キーでサブメニューを開きます。

このサブメニューには、♭12 〜 ♯12 までの項目が用意されていますので、希望の項目を選んで Enterキーを押します。

ボーカルキャンセル機能

「エフェクト」メニューの「ボーカルキャンセル」項目で Enterキーを押すと、ボーカルの音が小さくなります。カラオケの練習や、バックの楽器の音を聴く時に使えます。
ただし、ボーカルが完全に消えるわけではなく、音量が小さくなるだけです。

ABループ

「ABループ」というのは、ファイルの中の一部分を範囲選択して、選択した部分を繰り返し再生することの出来る機能です。

ループさせる範囲の指定

ファイルを再生し、シークバーを操作して、ループさせたい先頭の位置で一時停止させます。

「再生」メニューから、上下矢印キーで
「現在位置をABループ に設定(A)」
を選んでEnterキーを押します。

再び再生を開始して、ループさせたい末尾の位置で一時停止させます。

「再生」メニューから
「現在位置をABループ に設定(B)」
を選んで Enterキーを押します。
※この項目は、(A) の下にあります。

これで、ループさせたい範囲が指定されます。

指定した範囲をループ再生

ループさせたい範囲を指定したら、「再生」メニューから「頭出し」を選んでEnterキーを押します。 または、Ctrl + 0 を押します。

先ほど指定した範囲が、繰り返し再生されます。

※再生を停止して、他のファイルを再生させると、範囲の指定は解除されます。

再生中の曲を保存する

「聞々ハヤえもん」では、再生速度や音程などを変更した状態で、ファイルを保存することが出来ます。手順は以下のとおりです。

Spaceキー または Ctrl + P を押して、再生を一時停止させます (スクリーンリーダーの音声を聞きやすくするため)。

Altキーでメニューを開き、「ファイル」メニューから「保存」を選んでEnterキーを押します。

「名前を付けて保存」のダイアログボックスが表示されますので、ファイル名を入力します。

続いて、保存するファイルの種類を「WAVE ファイル(*.wav)」にして「保存」のボタンを押します (*注1)。

すると、保存の処理が始まります。
Ctrl + Alt + 数字の 1 を押すと、保存中の状態を知ることが出来ます。 「保存中 - ○○(ファイル名).wav」とガイドがあるうちは、まだ保存の途中です。

*注1:MP3形式での保存には、「LAME.EXE」が必要です。 「LAME.EXE」について知識のある人は、「Hayaemon.exe」と同じフォルダに「LAME.EXE」を置いて下さい。

一括変換

再生リストに表示されている全てのファイルを、一括して保存することも出来ます。 この場合、全てのファイルに同じエフェクト(再生速度・音程・周波数など)が適用されます。
ただし、この機能は、途中で音声とキーボードでは操作できない箇所があるため、操作の説明は省略します。

DirectX のバージョンについて

「聞々ハヤえもん」の動作には、DirectX 3 以降のバージョンがインストールされている必要があります。
最近のWindowsパソコンであれば、DirectX のバージョンは、だいたい v 9.0 以降のものがインストールされているはずですから、特に意識することなく使用することが出来ると思いますが、一応 確認しておきたい時は、以下の手順で操作してください。
※Windows 7 での操作で説明しています。

1.Windowsキーでスタートメニューを開きます。

2.「プログラムとファイルの検索」のエディットボックスに
dxdiag
と入力します。

3.検索結果に「dxdiag.exe」という項目が表示されますので、上下矢印キーでその項目を選択して Enterキーを押します。

4.「DirectX 診断ツール」が起動します(*注1)。
通常は、「システム」タブにフォーカスされています。他のタブが開いている場合は、タブコントロールから「システム」タブに切り替えてください。

5.Ctrl + Alt+Z の全文読みのコマンドを押します。 または、Ctrl + Alt+S の音声コピーのコマンドを押してクリップボードにコピーしたものを、MyEditなどに貼り付けて読みます。
内容は次のようなものです。

このツールを使用すると、インストールされている DirectX コンポーネントやドライバーの詳細情報を入手することができます。
(中略)
DirectX バージョン : DirectX 11
(後略)

*注1:この時に、
DirectX 診断ツールのメッセージ ドライバーがデジタル署名されているかどうかを確認しますか? (後略)
というメッセージが表示されることがあります。その時は、「はい」のボタンを押します。


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