はじめに
ランチャ(ソフト)とは
「Launcher ランチャ」というのは、普段よく使うアプリケーションやフォルダなどを素速く開くためのソフトです。
たとえば、PC-talker付属の「AOKmenu」も、ランチャソフトです。
ここで紹介する「HotKey Launcher.NET」は、「AOKmenu」のように矢印キーで選択して Enterキーで実行、という形ではなく、登録したホットキーを押すことによって、目的のアプリケーションやフォルダを一発で開くことの出来るランチャソフトです。
※詳しい使用法については、実行ファイル(プログラム本体)と同梱の「readme.txt」を参照して下さい。
ホットキーとショートカットキーの違いについて
「PC-Talker」や「MyMail」などのソフトには、そのソフトによって、いろいろなショートカットキーが用意されています。ここで紹介する「ホットキー」というのは、そうしたショートカットキーとは違います。
ショートカットキーは、そのソフトが起動している時にだけ使えるコマンドですが、ホットキーは、特定のソフトに関係なく使えるコマンドです。
たとえば、Windowsキーを押してスタートメニューを開いたり、Windowsキー+D でデスクトップにフォーカスを移動させたり、というのは、Windowsに設定されたホットキーです。
ホットキーを設定するには、ここで紹介するソフト「HotKey Launcher.NET」などを使う方法の他に、Windows標準の機能を使う方法もあります。
このページでは、ソフトの紹介と合わせて、Windows標準の機能を使う方法についても説明していきます。
ホットキーを設定する時の注意
上で説明したように、ホットキーは特定のソフトの機能に関係なく動作します。
つまり、ホットキーの方が、各ソフトのショートカットキーよりも優先されるわけです。
ですから、ホットキーを設定する時は、他のソフトのショートカットキーと競合しないように注意する必要があります。
そうしないと、各ソフトのショートカットキーが機能しなくなる場合があります。
特に、PC-Talkerとの競合には注意して下さい。
実践パソコン環境
OS:Windows7 Pro 64bit SP1
スクリーンリーダー:PC-Talker7 2.12
(※2013年6月 現在)
ソフトの概要
ソフト名 | HotKey Launcher.NET |
---|---|
動作OS | Windows7 / Vista / XP |
確認できている最終バージョン | 2.0.2 (2011/3/8) |
種別 | フリーソフト |
作者 | 木下 一茂 様 |
公式サイト |
90H HotKey Launcher.NET |
必要なランタイム |
.NET Framework 2.0 以上 ※Windows7 / Vistaには最初からインストールされています。あらためて導入する必要はありません。 |
ダウンロードとインストール・アンインストール
ダウンロード
公式サイト
90H
http://www4.ocn.ne.jp/~kkino/index.html
の中の
HotKey Launcher.NET
http://www4.ocn.ne.jp/~kkino/hklaunchnet.html
にアクセスします。
そのページの
HotKey Launcher.NET [Download]
のリンクを押してダウンロードします。
または、
HotKey Launcher.NETの詳細情報 : Vector ソフトを探す!
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se481976.html
のページからもダウンロード出来ます。
インストール
インストール作業は必要ありません。ダウンロードした圧縮ファイル「HKLNH202.zip」を、任意の場所に解凍(展開)するだけです。
ただし、ファイルがフォルダに格納されていないため、いきなり解凍すると、ファイルがバラバラになってしまうことがありますので、事前に専用のフォルダを作成しておき、その中に解凍する方が安全です。
また、Cドライブの Program Files または Program Files (x86) のフォルダの中に置くと、ファイルの書込などに制限が加わるため、それ以外の場所を推奨します。
ファイル構成
解凍すると、以下のファイルが得られます(readmeより引用)。
HKLaunch.exe HotKey Launcher.NET本体
HKPlugin.dll クラスライブラリ
HKPlugin.xml HKPlugin.dllのXMLドキュメント
readme.txt 説明ファイル
スタートアップへの登録
「HotKey Launcher.NET」をより有効に使うために、「スタートアップ」に登録して、Windowsの起動と同時にこのソフトを起動するように設定することをおすすめします。
1.ソフトの本体(実行ファイル)「HKLaunch.exe」のショートカットを作成します。
「HKLaunch.exe」にカーソルを合わせて、Altキーを押します。
上下矢印キーで「ショートカットの作成」を選んでEnterキーを押します。
「HKLaunch.exe」の下に、「HKLaunch.exe - ショートカット」というショートカットファイルが作成されます。
このショートカットをコピー、または切り取りしておきます。
2.Windowsキーを押して、スタートメニューを開きます。
3.上矢印キーで「全てのプログラム」を選択して、右矢印キーで中のメニューを開きます。
4.上矢印キーで「スタートアップ」を選択します。
5.Applicationキー またはShiftキー+F10キーを押してコンテキストメニューを開きます。
6.上下矢印キーで「開く」または「開く -All Users」を選んで Enterキーを押します。
Explorerが起動して「スタートアップ」のフォルダが開きます。
※「開く」 = 現在 パソコンを使っているユーザーのフォルダが開きます。
※「開く -All Users」 = パソコンに登録されている全てのユーザー共通のフォルダが開きます。
7.Explorerに、先ほどコピー または切り取りしておいたショートカットを貼り付けます。
8.Explorerを閉じます。
これで、次にWindowsを起動した時に、「HotKey Launcher.NET」が起動するようになります。
アンインストール
レジストリを使用していないので、解凍したフォルダを削除すれば、アンインストールされます。
ただし、ホットキーの設定情報などが、ユーザーのApplication Dataフォルダの下のHKLaunchというフォルダの中に保存されています。気になる人は、こちらも削除して下さい。一般的なフォルダのパスは以下のとおりです。
C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\HKLaunch\
コンテキストメニュー
「HotKey Launcher.NET」の操作は、通知領域(タスクトレイ)のアイコンからコンテキストメニューを呼び出して行ないます。
コンテキストメニューは、Windowsキー+B で通知領域にフォーカスを移動して、矢印キーで「HotKey Launcher.NET」のアイコンにカーソルを合わせ、Applicationキー またはShiftキー+F10キーを押して開きます。
メニュー項目
編集(E) | ホットキーの設定を行なうウィンドウを表示します。 |
---|---|
設定(O) | 各種の設定を行なうウィンドウを表示します。ただし、私は、このウィンドウでは全く設定を変更していません。 |
ホットキーを無効にする(T) | 登録したホットキーを一時的に無効にするメニューです。 |
バージョン情報(A) | バージョン情報が表示されます。 |
終了(X) | 「HotKey Launcher.NET」を終了し、常駐を解除します。 |
ホットキーの登録と編集
起動したいアプリケーションや開きたいフォルダと、ホットキーの設定/編集は、「機能一覧」のウィンドウで行ないます。
このウィンドウは、最初に「HotKey Launcher.NET」を起動した時に表示されるほか、コンテキストメニューの「編集」項目を実行することによって開くことが出来ます。
「機能一覧」ウィンドウ
ウィンドウを開くと、「機能一覧 のツリービュー フォルダ選択」とガイドされます。
このツリービューには、登録された項目の一覧が表示されています。
リストビューでなくてツリービューになっているのは、グループごとにまとめて登録する機能があるためで、同じグループに入れた項目は、フォルダのような形で登録され、ツリービューに表示されます。
※このウィンドウを開いている間は、ホットキーは無効になります。
追加(A) | このボタンを押すと「編集」のウィンドウが開きます。「編集」ウィンドウについては、この後に記載してあります。 |
---|---|
編集(E) | このボタンを押すと「編集」のウィンドウが開きます。ウィンドウ自体は、追加ボタンで開くウィンドウと同じですが、登録されている設定が入力された状態で開きます。 |
削除(R) | このボタンを押すと、登録したホットキーが削除されます。 |
旧設定読み込み(L) | 「HotKey Launcher.NET」の前身ソフトのユーザーで、そちらでホットキーを登録している場合は、その設定を読み込むためのダイアログボックスが表示されます。 |
OK | このボタンを押すと、設定が保存されます。ホットキーの追加登録や編集を行なった後は、必ずこのボタンを押して下さい。 |
キャンセル | 操作を中断して、ウィンドウを閉じます。 |
「編集」ウィンドウ
※必須と思われる設定項目だけ、説明を記しています。 説明の無い設定項目は、任意で設定して下さい。
ホットキー |
ここで、登録したいホットキーの組み合わせを押します。 例えば、Altキーと数字の 1 を押すと、「Alt + 1」と入力されます。 |
---|---|
&Windowsキー |
ホットキーの組み合わせに Windowsキーを加えたい時は、チェックを付けます。
上の例で言うと、チェックを付けると、ホットキーは Altキー + Windowsキー + 数字の 1 になります。 |
名前(N) |
開きたいアプリケーションやフォルダの名前を入力します。 ※入力しないで、先にアプリケーションやフォルダのパスを指定すると、自動的にそのファイル/フォルダの名前が入力されます。 |
説明(D) | 開きたいアプリケーションやフォルダの説明を入力します。 |
タイプ(T) |
開きたい項目の種類を選択するコンボボックス(ドロップダウンリスト)です。
次の中から、上下矢印キーで選択します。 実行ファイル・フォルダ・ファイル・Web(ホームページ)・スタートアップ・グループ |
パス(P) | 開きたい項目のフルパス、またはURLを入力します。 |
参照(B) |
このボタンを押して、アプリケーションの実行ファイルやフォルダのパスを選択します。
アプリケーションの場合は「ファイルを開く」ダイアログボックス、フォルダの場合は「フォルダの選択」のダイアログボックスが開きます。 |
引数(A) | - |
作業ディレクトリ(K) | - |
参照(O) | - |
実行時の大きさ | - |
管理者権限で実行する(M) | - |
プロセスの優先順位 | - |
アイコンファイル(I) | - |
有効(E) | ホットキーの有効/無効を切り替えるチェックボックスです。 |
ボタンを表示する(U) | - |
グループ(G) | - |
必要な項目の設定が終ったら、Tabキーで「OK」のボタンに移動して Spaceキーを押します。
元の「機能一覧」のウィンドウに戻りますので、Tabキーで「OK」のボタンに移動して Spaceキーを押します。
「機能一覧」のウィンドウが閉じて、登録/設定作業は完了です。登録したホットキーは、この時点から機能するようになります。
Windows標準の機能でホットキーを設定する
Windowsには、ホットキーを設定する機能が標準で備わっています。その手順について説明していきます。
が、正直言って、この機能はあまりおすすめ出来ません。
理由は、ホットキーを設定する時に、自動的に Ctrl+Alt の組み合わせにされてしまうためです。
たとえば、Alt+1 (フルキーの数字の 1)をホットキーに設定しようと思って、ホットキーのボックスで Altキーと1 を押すと、自動的に Ctrl+Alt+1 になってしまいます。
ご存知のように、PC-Talkerのコマンドには、Ctrl+Alt の組み合わせが多く使われています。そして、大半のキーとの組み合わせが設定済みなため、組み合わせのキーを探すのが難しく、とても限られてしまいます。
※他に、Ctrl+Shift との組み合わせや、F1〜F12 のキーも設定することが出来ますが、こちらもPC-talkerや音声対応ソフトのコマンド(ショートカットキー)とぶつかってしまうものが多いので、設定する時には注意が必要です。
ホットキーの設定の手順
否定的な前置きが長くなってしまいましたが、良い点もあります。特別なソフトを導入する必要がなく、すぐにホットキーを設定出来ることです。
それでは、具体的に操作の手順を説明していきます。
1.まず準備として、ホットキーで起動したいソフトやファイル・フォルダのショートカットを作成します。
Explorerで、目的のファイルやフォルダにカーソルを合わせます。
2.Altキーでメニューを開き、上下矢印キーで「ショートカットの作成」を選んでEnterキーを押します。
リストビューの中に、「○○ へのショートカット」という項目が追加されます。
3.追加されたショートカットに、カーソルを合わせます。
4.Altキーでメニューを開き、「プロパティ」を選んでEnterキーを押します。
「プロパティ」のダイアログボックスが開きます。
「リンク先(T): D:\○○.exe」と 音声ガイドがあります(ファイル名は一つの例です)。
5.TabKeyを押して、「ショートカットキー (K)」と読む所に移動します。ここで、設定したいホットキーの組み合わせのキーを押します。すると、押したキーの名前を読み上げます。
その組み合わせが設定出来ない時は、他のキーに置き換えられたり、「なし」にされたりします。
やっぱりこの組み合わせではなく、他の組み合わせにしようと思った時は、新しい組み合わせを押すと、新しいキーに変更されます。
また、BackSpaceキーを押すと、「なし」になります。
※自分の意図したホットキーが入力されているかどうかを確認するには、Tabキーで次の項目に移動してから、Shiftキー+Tabキーで戻ります。
6.Tabキーで「OK」のボタンに移動してSpaceキーを押します。これで、ホットキーが設定されます。
ホットキーの設定をキャンセルしたい時は、「キャンセル」のボタンを押します。
ホットキーの取消と変更(設定の解除・変更)
1.設定したホットキーを取り消したり、変更したい時は、設定した時と同じ手順で「プロパティ」のダイアログボックスを開きます。
2.TabKeyを押して、「ショートカットキー (K)」と読む所に移動します。
3.ホットキーを変更する時は、新しいホットキーを押します。
取り消したい時は、BackSpaceキーを押して「なし」にします。
4.Tabキーで「OK」のボタンに移動してSpaceキーを押します。 これでホットキーの変更、または取消が出来ます。
──このページの本文 終わり──────────