はじめに
※2016年3月19日 追記
Windows7 64bit版(以降のOS)で、「HotClip」の導入や動作がうまくいかない時は、
「C:\Windows\System32」のフォルダの他に、実行ファイル「HotClip.exe」と同じフォルダ内に、mfc70.dll msvcr70.dll の二つのランタイム(プログラム)のファイルを入れて試してみてください。
※2014年9月27日 追記
Windows7 64bit版で、「HotClip」の導入や動作がうまくいかない時は、下記のソフトを試してみて下さい。
TaskClip 〜 クリップボード拡張ツール
※このページは、以前 公開していたページにリンク切れなどが生じたため、2014年3月23日に内容を修正しました。
皆さんも文書の編集をする時に、コピー・切り取りと貼り付けの操作をいつもされていると思います。 コピーしたり切り取ったりしたデータは「クリップボード」と呼ばれる場所にいったん保管されます。 「貼り付け」の操作を実行すると、その保管されていたデータが、指定した場所に挿入されます。
パソコンならではのとても便利な機能ですが、弱点もあります。それは、一世代しか保存出来ないこと、つまり今 コピー/切り取りしたデータは、次のデータをコピー/切り取りした途端に消えてしまう、ということです。
この弱点を補ってくれるのが、「クリップボード拡張」と呼ばれるソフトです。
これは文字通り クリップボードの機能を拡張して、コピー/切り取りしたデータを何世代も保管してくれるソフトです。
この手のソフトは世間には沢山あり、私もいくつか使ってみましたが、一番使い勝手がいいと思うのがこの「HotClip」です。
また、「短文入力」というメニューもあり、これにはあらかじめ いろいろな文字や記号・短文が登録されていて、それをショートカットキーで呼び出して、直接エディタなどに貼り付けることが出来ます。
この「短文入力」の元になっているのは普通のテキストファイルで、決まった書式さえ守ればユーザーが自由に編集(登録)することも出来ます。
実践パソコン環境
OS : Windows7 Pro 64bit SP1
スクリーンリーダー : PC-Talker7 2.12
※2014年3月現在
ソフトの概要
ソフト名 | HotClip |
---|---|
動作OS |
Windows XP/Me/2000/98/NT ※開発が休止(終了?)しているため、公式には対応していませんが、Windows7 64bit版 / 32bit版で動作を確認済です。 |
種別 | フリーソフト |
作者 | Ka-y 様 |
公式サイト: | 現在は閉鎖されています。 |
必要なランタイム | mfc70.dll/msvcr70.dll(詳しくは後述) |
ダウンロードとインストール
ダウンロード
「HotClip」を使うためには、「ランタイム」と呼ばれる外部プログラムが必要です。
「ランタイム」というのは、ソフトとWindowsの間の橋渡しをして、ソフトを正常に動作させるためのプログラムです。
したがって、「HotClip」のソフト本体と、ランタイムの二つをダウンロード&インストールすることが必要になります。
「HotClip」のソフト本体のダウンロード
次のページにアクセスします。
HotClipのダウンロード : Vector ソフトを探す!
ファイル: hclp032.lzh / 67,974Bytes / 2004.1.8
のファイルを、
HotClip0.32を今すぐダウンロード
のリンクの所からダウンロードして下さい。
必要なランタイムのダウンロード
下ノリンクから圧縮ファイルをダウンロードして、適当な場所に解凍して下さい。
HotClip用ランタイム hotclip_runtime.zip 640KB ダウンロード
インストール
「HotClip」本体のインストール
1.Explorerを起動して、ダウンロードした「hclp032.lzh」にカーソルを合わせます。
2.Altキーでメニューを開き、上下矢印キーで「全て展開」を選んで Enterキーを押します。
3.展開(解凍)のダイアログボックスが開き、
ファイルを下のフォルダーに展開する(F): D:\Downloads\hclp032
とガイドされます(ファイルのパスは私のパソコンの例です)。
4.Tabキーで「展開」のボタンに移動して Spaceキーを押します。
「hclp032」というフォルダが作成されて、その中にファイルが展開(解凍)されます。
※「解凍レンジ」をお使いの方は、Explorerのファイルメニューから「ここにフォルダ付き解凍」を実行して下さい。
ランタイムのインストール
上記の「hotclip_runtime.zip」を解凍したフォルダには、次の二つのファイルが入っています。
※もう一つ「readme お読み下さい.txt」という説明の文書が入っています。内容は下記のものと同じです。
msvcr70.dll
mfc70.dll
この二つのファイルを、
C:\Windows\System32
のフォルダにコピーして下さい。
コンピューター → Cドライブ → Windows → System32
とフォルダを開いていって、System32 フォルダに、二つのファイルをコピーして下さい。
アンインストール
解凍した「hclp032」のフォルダを削除します。
「スタートアップ」への登録
「HotClip」は、システムに常駐して(バックグラウンドで常に動作して)クリップボードを監視し、そのデータを保存していくソフトです。
HotClip.exe(プログラムの本体)にカーソルを合わせてEnterキーを押すことによって、HotClipを起動し、その機能を使うことは出来るようになりますが、システム(Windows)の起動と同時に「HotClip」を起動させて、Windowsが動いている間はずっと動いているように設定した方が、本来の機能を活用することが出来ます。
以下は、Windows 7 での設定の手順です。
※パソコンの起動時には起動しないで、必要な時だけ手動で起動したいという場合は、ショートカットを どこかわかりやすい場所にコピーして下さい。
ショートカットの作成
1.「hclp032」のフォルダを開いて「HotClip.exe」にカーソルを合わせて、Altキーを押します。
2.ファイルメニューが開きますので、「ショートカットの作成」を選んで Enterキーを押します。
リストビューの中に「HotClip.exe へのショートカット」という項目が 新たに作成されます。
3.そこにカーソルを合わせてF2キーを押し、名前を変更します。 ここでは仮に「HotClip」とすることにします。
「スタートアップ」に登録する
パソコン(Windows)の起動時に 自動的にHotClipが起動するように、「スタートアップ」に登録します。
1.先ほど作成したショートカットにカーソルを合わせて、Ctrlキー+X を押して切り取りを実行します。
2.Windowsキーでスタートメニューを開き、上矢印キーを押します。 「全てのプログラム」とガイドされます。
3.右矢印キーを押すと「全てのプログラム」の一覧のツリービューが開きます。
4.上矢印キーで「スタートアップ」という項目にカーソルを合わせます。
5.Applicationキーを押して、コンテキストメニューを開きます。
6.上下矢印キーで「開く」または「開く-All Users」を選んで Enterキーを押します。
※現在のパソコンを一人のユーザーで使っている場合は「開く-All Users」、家族など他の人と一緒に使っている場合は「開く」を選択して下さい。
どちらを選択しても、後の作業は同じ手順になります。
7.Explorerが起動して「スタートアップ」のフォルダが開きますので、
Ctrlキー+V を押して、切り取っておいたショートカットを貼り付けます。
上下矢印キーで「HotClip」という項目が追加されていることを確認して下さい。
8.確認したら、二つの Explorerのウィンドウを閉じます。
これで、次にWindowsを起動した時に「HotClip」が起動するようになります。
「HotClip」の設定と使い方
HotClipの設定には、二つのメニューがあります。
オプション … HotClipの動作全般に関する設定
ホットキーの設定 … クリップボードの履歴などを呼び出すホットキー(ショートカットキー)の設定
そして、この設定のメニューを開くにはふたとおりの方法があります。
@ホットキーで開く = 初期設定では Ctrlキー+Shiftキー+Rが設定されています。
A通知領域のアイコンから開く = HotClipを起動すると、通知領域(タスクトレイ)にアイコンが表示されます。
Windowsキー+Bで通知領域にフォーカスを移動して、HotClipのアイコンにカーソルを合わせて、Applicationキー またはShiftキー+F10キーを押します。
どちらの方法でも同じメニューが開きますので、下矢印キーを押して「オプション」「ホットキーの設定」のどちらかを選んでEnterキーを押します。
「オプション」「ホットキーの設定」のどちらのダイアログボックスも、Tabキーで項目を移動しながら設定していき、最後に「OK」のボタンを押して完了です。
「…キーの設定」というボックスは、設定したいホットキーの組み合わせを直接押して設定します。
オプション
「履歴の個数」の スピンボタン
最初は99に設定されていて、上下矢印キーで数を変更するようになっています。 どのくらいの数が適当かは、その人によって違いますので、実際に使ってみて調節して下さい。
「一杯になったら一時停止状態にする」のチェックボックス
ここにチェックを付けると、上記の所で設定した履歴の個数が一杯になった時に、コピー/切り取りしたデータの 履歴への取り込みが一時的に停止されます。ここはチェックを付けない方がおすすめです。
「履歴に取り込む時に音を鳴らす」のチェックボックス
ここにチェックを付けると、データが履歴に取り込まれたことが確実でわかりやすいのですが、はっきり言ってうるさいです。
ホットキーの設定
注意 : 他のプログラムで使われているホットキーとぶつかってしまうと、機能しない場合があります。
スクリーンリーダーや音声対応ソフトは独自のホットキー(ショートカットキー)がたくさん設定されていますので、気をつけて設定するようにして下さい。
こんな組み合わせは使われていないだろうと思っても、意外な所で使われている場合があります。
設定したホットキーが機能しない時は、組み合わせの設定を変えて試してみて下さい。
「クリップボード履歴をホットキーで呼び出す」のチェックボックス
ここは当然チェックありにします。
次の項目で指定したホットキーを押すと、デスクトップ画面上に、クリップボードから保存されたデータの一覧が、プルダウンメニューのような形で表示されます。
その一覧から上下矢印キーで目的のデータを探し、Enterキーを押すと、そのデータが直接エディタなどに貼り付けられるか、再びクリップボードに送られます。
※この後の設定項目=「ホットキーで履歴を出した場合は直接貼り付ける」のチェックボックス の所の設定で動作が変わってきます。
「機能の呼び出し」のホットキー キーの設定
ここはテキストボックスのような形になっていて、その時に押したキーの組み合わせが入力されます。
確認するには、いったんTabキーで次の項目に移動してから、Shiftキー+Tabキーを押して戻ります。
※最初に設定されていたキーの組み合わせが何だったか 忘れてしまいました。とにかく初期設定のままではうまく機能しなかったことだけは覚えているのですが…。
「ホットキーで履歴を出した場合は直接貼り付ける」のチェックボックス
ここは、その人の使い方・作業のスタイルによって設定が変わってきます。
ここにチェックを付けると、エディタやブラウザなどのカーソルがある位置に その文字列が貼り付けられます。
チェック無しの場合は、文字列がクリップボードに再び送られますので、手作業で貼り付けることになります。
ちなみに私はチェックを付けています。
「履歴の編集ウィンドウをホットキーで呼び出す」のチェックボックス
ここも一応 チェックを付けておきます。こうすると、保存してあるクリップボードの履歴データを再編集するウィンドウをホットキーで呼び出すことが出来るようになります。
編集の手順については、このページの後ろの方の「履歴の編集ウィンドウの操作」をお読み下さい。
「機能の呼び出しのホットキー」キーの設定
最初は、Ctrlキー+Shiftキー+E が設定されています。
変更したい場合は、設定したいホットキーの組み合わせを直接押して設定します(以下 同様です)。
トレイアイコンの右クリックメニューをホットキーで呼び出す
ここもチェック有りにしておきます。
HotClipを操作するメニューは、Windowsキー+Bで通知領域(タスクトレイ)にフォーカスを移動してから、矢印キーでHotClipのアイコンにカーソルを合わせて、Applicationキー またはShiftキー+F10キーで開くことになっているのですが、ここにチェックを付けておくと、次の項目で指定するホットキーで同じメニューを呼び出すことが出来るようになります。
機能の呼び出しのホットキー キーの設定
最初は、Ctrlキー+Altキー+R が設定されています。
「このホットキーを有効にする」のチェックボックス
ここから「短文入力」のホットキーの設定項目が続きます。ここもチェック有りにしておきます。
短文データファイルのパスのホットキー
ここでは、短文入力メニューを呼び出すためのホットキーを設定します。
※「短文データファイルのパス」という音声が、少し紛らわしいのですが、これは読み上げの都合によるもので、肝心なのは「ホットキー」の方です。
短文データファイルのパスのエディット 文字入力 Symbol.txt
もともと用意されている 短文データのファイルの名前です。
「参照」のボタン
このボタンを押すと、ファイルを開くダイアログボックスが現れます。設定したいファイルがある場合は、そのファイルを指定して下さい。
「編集」のボタン
このボタンを押すと、短文データのファイルが開きます。
普通のテキストファイルなので、その書式を確認しながら、自分で項目を追加したり、新しく自分のデータファイルを作成したりすることが出来ます。
※このデータファイルを読んだり編集する時は、必ずPC-Talkerの読み上げを「句点を読む カッコを読む」に設定して下さい。
■履歴の編集ウィンドウの操作
「ホットキーの設定」で設定したホットキーを押すか、通知領域のHotClipのアイコンの所でApplicationキーを押して開くコンテキストメニューから「履歴の編集」を実行すると、
「クリップボード履歴編集 - HotClipのリストボックス」
と音声がして、クリップボードの履歴の編集ウィンドウが開きます。
フォーカスはリストビューにあり、上下矢印キーで項目を移動します。
そこから Tabキーで「編集」「削除」などのボタンを移動しながら操作することも出来ますが、Applicationキーを押してコンテキストメニューを開き、そのメニューから操作することも出来ます。
コンテキストメニューの項目は、以下のとおりです。
・編集=履歴の内容を再編集
・削除=履歴データを削除
・上へ=リストのひとつ上に移動
・下へ=リストのひとつ下に移動
・ヘルプ=ヘルプの表示
このメニュー項目のうち、「編集=履歴の内容を再編集」についてだけ説明しておきます。このメニューは、保存してあるデータの内容を再編集する、つまり書き替えるためのメニューです。
このメニューを実行すると、新たにデータの内容を編集するためのウィンドウが表示されます。
データは、普通のテキストボックスに表示されていますので、削除・追加・入れ替えなどの編集を加えることが出来ます。
問題は編集が終わってからの操作になります。
編集した後、その結果を反映させるためには、このウィンドウの「OK」のボタンを、マウスでクリックしなければなりません(キーボードでは このボタンを押すことが出来ません)。
ただし、次のように設定してあると、画面が見えなくても「OK」のボタンをクリックすることが可能です。
そして「OK」のボタンをクリックすると、このウィンドウは閉じて元の「履歴の編集」のウィンドウに戻ります。
マウスの設定
コントロールパネルの「マウス」→「ポインタオプション」タブで、「ポインタを自動的に既定のボタン上に移動する」のチェックボックスにチェックを付けておきます。
こうすると、「OK」のボタンの所にマウスポインタが自動的に移動しているため、マウス またはタッチパッド(の左ボタン)を押すと、「OK」のボタンがクリックされて編集結果が反映されます。
※この操作をする時は、マウスやタッチパッドに触らないように注意して下さい。うっかり触ってしまうと、マウスポインタの位置がずれてしまい、目的のボタンをクリックすることが出来なくなってしまいます。
「履歴の編集」ウィンドウでの操作が終わったら、Altキーでシステムメニューを開き「閉じる」を選んでEnterキーを押すか、Altキー+F4キーで このウィンドウを閉じます。
注意
HotClipをはじめ、クリップボード拡張ツールは「クリップボードビューアチェイン」というWindowsの機能を使用しています。
また、他にもクリップボードを監視して、そのデータを取得しているアプリケーションもあり、それらのアプリケーションの間でクリップボードの情報を順番に次のアプリケーションに送っています。
この情報の連鎖(チェイン)が、何らかの理由──例えばアプリケーションの異常終了などによって断ち切られてしまう事態が起きると、次のアプリケーションにはクリップボードのデータが送られなくなります。
こういう時には当然HotClipはクリップボードのデータを取り込めなくなります。その場合は、HotClipをいったん終了してから再起動して下さい。
──このページの本文 終わり──────────