はじめに
一世代しか保管出来ないクリップボードのデータの履歴を保存して呼び出して使うことの出来るソフトを「クリップボード拡張ツール」と呼んでいます。
私は以前から愛用している「HotClip」を、このサイトで紹介してきました。
HotClip 〜クリップボードのデータを保存して活用 (別ウィンドウで開きます)
しかし、最近 Windows7 64bit の環境でうまく動作しないという報告が多く見られるようになりました。そんな時、 Freevi というメーリングリストで、「TaskClip」というクリップボード拡張ツールが紹介されていました。
早速ダウンロードして使ってみたところ、「HotClip」に比べて、機能や使い勝手の面で一歩譲る印象はありましたが、シンプルで使いやすく、初心者にも割と簡単に使えるのではないかと考え、ここで紹介することにしました。
紹介していただいたIさん、ありがとうございます。
実践パソコン環境
Windows7 Pro 64bit SP1 + PC-Talker7 2.12
Windows7 Pro 32bit SP1 + PC-Talker7 2.12
※2014年9月 現在
ソフトの概要
ソフト名 | TaskClip |
---|---|
動作OS | Windows 7/Vista/XP |
種別 | フリーソフト |
作者 | しおぷ 様 |
公式サイト: | DOG'NROLL! (別ウィンドウで開きます) http://home.u03.itscom.net/skyblue/ |
必要なランタイム | 特に無し |
ダウンロードとインストール
●ダウンロード
下記のサイトにアクセスします。
TaskClipの詳細情報 : Vector ソフトを探す!
ダウンロードのページは、下記のページです。
TaskClipのダウンロード : Vector ソフトを探す!
tsclp135.lzh / 29,707Bytes / 2006.11.5
TaskClip1.35を今すぐダウンロード
の所からダウンロードして下さい。
●インストール
ダウンロードした「tsclp135.lzh」を、適当な場所に解凍(展開)して下さい。それだけです。
ただし、Cドライブの Program Files や Program Files (x86) のフォルダは避けて下さい。Windows7からは、これらのフォルダ内のファイルへの書き込みが厳しく制限されるようになっていて、そのために、このソフトが正常に動作しない可能性がありますので。
●アンインストール
レジストリへの書き込み等は行なっていませんので、解凍して出来たフォルダ「tsclp135」を、そのまま削除して下さい。
使い方
ここに書かれていない操作の説明は、同梱の「Readme.txt」をお読み下さい。
ただし、詳細なヘルプが作成されていないようで、よくわからない設定や操作があります。
その部分は、このページでは、私の推測で書いていることをお断りしておきます。
●起動
解凍したフォルダ「tsclp135」を開いて、このソフトの実行ファイル(プログラム本体)の「tsclp.exe」にカーソルを合わせて Enterキーを押します。
システムに「TaskClip」が常駐(バックグラウンドで動作すること)し、クリップボードのデータの監視がスタートします。 同時に、通知領域(タスクトレイ)にアイコンが表示されます。
ここで、下記の手順で「TaskClip」本体のメニューを開き、履歴メニューの呼び出し方の設定をしておいて下さい。
⇒参照先(ページ内リンク):全体設定
●「TaskClip」のメニューの開き方
ここで言う「メニュー」は、クリップボード履歴のメニューではなく、「TaskClip」の設定や終了などを行なうためのメニューのことです。
Windowsキー+B を押して、通知領域(タスクトレイ)にフォーカスを移動させます。
「インジケーター表示ボタン」とガイドされたら、Enterキーを押します。
上下矢印キーで「TaskClip」のアイコンにカーソルを合わせます。
Applicationキー またはShiftキー+F10キーを押してメニューを開きます。
メニューが開いたら、上下矢印キーで目的の項目を選択して Enterキーを押します。
●終了
上記の手順で「TaskClip」のメニューを開き、上矢印キーで「終了」を選んで Enterキーを押します。
●履歴メニューの操作
テキストエディタやワープロソフトを起動して、履歴データを貼り付けたい位置にカーソルを移動させておきます。
設定したホットキー、または動作を実行してメニューを開きます。
上下矢印キーで、必要なクリップボード履歴を選択して Enterキーを押します。
カーソル位置に、選択したデータが貼り付けられます。
※新しい順・古い順、どちらに設定してあっても、メニューの一番上は「登録テキスト」になっています。
※間違ってメニューを表示した時などは、Altキー または Escapeキーで閉じて下さい。
「スタートアップ」への登録
「TaskClip」は、システムに常駐して(バックグラウンドで常に動作して)クリップボードを監視し、そのデータを保存していくソフトです。
したがって、Windowsの起動と同時に「TaskClip」が起動するようにして、Windowsが動いている間はずっと動いているように設定した方が、本来の機能を活用することが出来ます。
そのためには、「スタートアップ」への登録が必要になります。手順は以下のリンクの説明を参照して下さい。フォルダとファイルの名前を置き換えれば、そのまま通用します。
全体設定
設定ダイアログボックスの呼び出し
●「TaskClip」のメニューの開き方(ページ内リンク) の項目で紹介した手順で、「TaskClip」本体のメニューを開きます。
メニューが開いたら、上下矢印キーで「全体設定」を選んで Enterキーを押します。
すると、「TaskClip設定」のダイアログボックスが開きます。
※最初は二つ目の項目「履歴に残す件数」にフォーカスが合っていますので、Shiftキー+Tabキーで最初の項目に戻って下さい。
設定項目と簡単な説明
メニューをキャレット上に表示する(A) … チェックボックス
「キャレット」というのは「カーソル」のことです。テキストエディタやワープロソフトで、文字の入力位置を示します。
ここにチェックをつけると、そのカーソル位置に、クリップボード履歴のメニューが表示されるようになります。
チェックなしの場合は、通知領域(タスクトレイ)の「TaskClip」のアイコンの位置に表示されます。
弱視のユーザーの場合は、どちらか見やすい方に設定して下さい。
履歴に残す件数(C) … スピンボタン
履歴に残すクリップボードのデータの件数を、上下矢印キーで指定します。 初期値は 50個で、最大は 100個です。
履歴表示順(S) … ラジオボタン
メニューに表示する履歴の順番を、新しい順・古い順の二つから矢印キーで選択します。
呼出方法 … ラジオボタン
履歴のメニューを呼び出す方法を選択するラジオボタンですが、矢印キーではうまく選択することが出来ません。そこで、アクセスキーを使って選択するようにして下さい。
@ ホットキー(H) … Altキー+H
こちらを選択してからTabキーを押すと、ホットキーを入力するボックスに移動します。
他のホットキーやショートカットキーと重複しないキーの組み合わせを押して下さい。
*ホットキーとショートカットキーの違いについて
「ショートカットキー」は、ある特定のソフトが起動している時に、そのソフトの操作に対して有効なキー(の組み合わせ)です。
それに対して、「ホットキー」は、特定のソフトに関係なく動作するキー(の組み合わせ)です。
Aその他(O) … Altキー+O
こちらを選択してからTabキーを押すと、履歴のメニューを呼び出すキーの動作を選択するコンボボックス(ドロップダウンリスト)に移動します。上下矢印キーで、下ノ三種類の中から動作を選択して下さい。
Ctrl キーを連打
Shift キーを連打
Alt キーを連打
ツールチップを表示する(T) … チェックボックス
この項目はよくわかりません。
クリップボードを監視する(W) … チェックボックス
ここはチェックありのままにして下さい。
貼り付けモード(P) … コンボボックス(ドロップダウンリスト)
ここでは「Ctrl + V」を選択しておきます。
テキストの制限サイズ(L) … スピンボタン
保存する履歴のサイズだと思いますが、よくわかりません。とりあえず初期設定のままで。
貼り付け遅延時間(D)
メニューからデータを選択して Enterキーを押した時に、エディタ等に貼り付けを実行するまでに、少し間をおいた方がエラーを防ぐことが出来るため、適当な時間を設定しておくことをおすすめします。
数字の単位は 0.1秒だと思います。たとえば「1」に設定した時は、0.1秒だけ間隔をおいて貼り付ける、ということです(…たぶん)。
履歴の重複チェック … ラジオボタン
以前の履歴の中に、今 取り込んだデータと重複するデータがあった時に、どう処理するかを選択するラジオボタンです。次の3個の中から、矢印キーで指定して下さい。
※詳細なヘルプが無いため、以下の説明は推測に基づいています。
チェックする = 重複するデータは、新たに取り込まないようにする。
チェックしない … 重複するデータがあっても、そのまま取り込む。
重複する履歴を削除する = 以前の履歴の重複するデータを削除して、新たなデータを取り込む。
設定完了
それぞれの項目の設定が終ったら、Tabキーで「設定」のボタンに移動して Spaceキーを押して、設定を確定させます。
登録テキスト設定
頻繁に使う文字列(テキスト)を、クリップボード履歴の中から登録して、メニューから貼り付けることが出来るようにする設定です。操作の手順は、以下のとおりです。
あらかじめ設定したホットキーなどで、履歴メニューを表示させます。
上下矢印キーで、登録したい文字列にカーソルを合わせます。
Shiftキーを押しながら Enterキーを押します。
これで、その文字列が登録されます。
メニューの一番上の「登録テキスト」にカーソルを合わせて、右矢印キーでサブメニューを開くと、登録した文字列の一覧がタテ一列に表示されます。
クリップボードの履歴と同じように、文字列を選択して Enterキーを押すと、テキストエディタなどの画面に貼り付けることが出来ます。
「登録テキスト設定」のダイアログボックス
通知領域(タスクトレイ)の「TaskClip」のアイコンから、メニューを開きます。
上矢印キーで「登録テキスト設定」を選んで Enterキーを押します。
「登録テキスト設定」のダイアログボックスが開きます。
これまでに登録したテキストの一覧がリスト表示されていますので、上下矢印キーで選択します。
そこから Tabキーで次の3個のボタンに移動して、希望する操作のボタンを押します。
↑(U) … リストの順番を一つ上へ
↓(L) … リストの順番を一つ下へ
削除(D) … リストから削除
リストの操作が終ったら、Tabキーで「OK」のボタンに移動して Spaceキーを押します。
操作をキャンセルする時は「キャンセル」のボタンを押して、ダイアログボックスを閉じます。
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