はじめに 〜 Windows7の「コンピューター」とWindowsXPの「マイコンピュータ」との違い
Windows7では、XPの「マイコンピュータ」は廃止されました。
Windows7の「コンピューター」がWindowsXPの「マイコンピュータ」に当たるもの、と説明されているのを時々見かけます。
たしかに「ファイル管理」という役割は同じですが、その形=画面構成が全く違っています。
Windows7の「コンピューター」の画面構成は、WindowsXPのExplorerとほとんど 同じ画面構成になっています。
左側にフォルダのツリービュー、右側にドライブやフォルダのリストビューがあります。
ただし その表示形式と操作性は、WindowsXPのExplorerとは、かなり違っています。
このページでは、この「コンピューター」の操作の仕方と、少しでも使いやすくするための設定について書いていきます。
「コンピューター」の起動
Windows 7で「コンピューター」を起動するには、二つの方法があります。 スタートメニューから起動する方法と、ショートカットキーで起動する方法です。
スタートメニューから起動する
1.Windowsキーを押してスタートメニューを開きます。
2.次に右矢印キーを押して、スタートメニューの右側のエリア(右ペイン)に移動します。 3.「シャットダウン」とガイドされます。
4.上下矢印キーで「コンピューター」を選んで Enterキーを押します。
ショートカットキーで起動する
「コンピューター」を起動するショートカットキーは、 Windowsキー+E です。 これは、WindowsXPでExplorerを起動するショートカットキーと同じです。
実践パソコン環境
OS : Windows7 Pro SP1 64bit
スクリーンリーダー : PC-Talker7 2.12
(2013年5月 現在)
フォルダツリーとリストビューを同期させる
「同期」というのは この場合、ツリービューの項目(フォルダ)と、リストビューの内容(ファイルとフォルダの一覧)が一緒に変化する、という意味です。
リストビューで作業をしていて、一覧の中のフォルダを開いたり戻ったりすると、WindowsXPのExplorerでは、ツリービューのカーソルも そのフォルダに移動していたのですが、Windows7の「コンピューター」の初期設定では、フォルダのツリービューのカーソルの位置は動きません。
このツリービューとリストビューの同期、つまり両方が一緒に動くように、設定を変更します。
■同期の設定
1.「コンピューター」を起動し、Altキーを押してメニューを開きます。
2.右矢印キーで「ツール」メニューに移動して、上矢印キーを押します。
3.「フォルダーオプション」で、Enterキーを押します。
「フォルダーオプション」のダイアログボックスが開き、「フォルダーの参照 別のフォルダーを開くときに新しいウィンドウを作らない」という音声がします。
4.Tabキーを押して行くと、「すべてのフォルダーを表示する」というチェックボックスがあります。 ここにSpaceキーでチェックをつけます。
5.そこから下矢印キーを押すと、「自動的に現在のフォルダーまで展開する」というチェックボックスがあります。
ここにもSpaceキーでチェックをつけます。
※注意:この項目に移動する時は、必ず下矢印キーを押して下さい。Tabキーを押すと、別の項目に移動してしまいます。
6.二つの項目にチェックをつけたら、Tabキーを押して「OK」のボタンに移動して Spaceキーを押します。 これで設定完了です。
■ツリービューで選択したフォルダを リストビューに反映させる
WindowsXPの「Explorer」では、画面左側のフォルダツリーと、画面右側のリストビューは同期していて、フォルダツリーを上下左右の矢印キーで操作していくと、そのフォルダの内容がすぐにリストビューに表示されました。
ですから、ツリービューからTabキーを押すと、すぐにそのフォルダのリストビューを操作することが出来ました。
しかし、Windows7の「コンピューター」では、ツリービューでフォルダを選択しても、すぐにリストビューにはフォルダの内容が表示されません。
Windows7の「コンピューター」ではツリービューで、開きたいフォルダを選択した後にEnterキーを押さないと、選択しているフォルダの内容がリストビューに反映されません。
それからTabキーを押してリストビューに移動して、リストビューを操作する、という段取りが必要になりました。
「コンピューター」の表示を使いやすくする
■余計な項目を表示しないようにする
「コンピューター」を起動すると、最初は画面右側にあるドライブやフォルダのリストビューにフォーカスが当たっています。
PC-Talkerの音声では「項目ビュー のリストビュー」とガイドされます。
ただ、ここで余計な項目を読み上げるのに気付くはずです。
「ハードディスクドライブ (2)」
「リムーバブル記憶域があるデバイス (1)」
これは要するに、ハードディスクやリムーバブルメディアにいくつのドライブがあるかというのを、教えてくれているわけです。
しかしこの表示は「小さな親切、大きなお世話」の典型で、音声で使う場合は、逆にわかりにくくなっています。
そこで、この余計な表示を消してしまうことにします。
1.「コンピューター」を起動して、Altキーでメニューを開きます。
※Windows7では、メニューバーが最初は表示されていなくて、Altキーを押すとメニューが表示されるようになっています。
まあ、この辺は音声ユーザーにとっては、画面に表示されていてもいなくても同じ操作なので、あまり関係ありませんが、常にメニューバーを表示させておく設定も紹介しておきます。
参照:「コンピューター」に常にメニューバーを表示させておくには
2.右矢印キーで「表示」メニューに移動します。
3.上矢印キーで、「グループで表示」にカーソルを合わせます。
4.右矢印キーでサブメニューを開き、上下矢印キーで「なし」のところでEnterキーを押します。
これで余計な「グループ表示」が無くなります。もう一度 表示させたい時は、同じ手順で「グループで表示」のサブメニューから、「種類」を選んでEnterキーを押します。
■「アイコン表示」から「詳細表示」に変更する
「コンピューター」の最初の表示形式は「アイコン表示」になっていて、縦方向だけでなく、横にもアイコン(項目)が表示されています。
これはWindowsXPでも同じですが、この状態だと、上下だけでなく、左右にも矢印キーを動かしてドライブやフォルダ・ファイルを探さなくてはならないので、とても不便です。
この表示形式を、ドライブやフォルダ・ファイルが 縦一列に並ぶように「詳細表示」に変更します。
1.Altキーを押してメニューを開きます。
2.右矢印キーで「表示」メニューに移動して、下矢印キーを押します。
3.「詳細」の所でEnterキーを押します。
これでドライブやフォルダ・ファイルが縦一列に並んで表示され、フォルダとファイルの区別や、サイズ・更新年月日なども表示される(読み上げられる)ようになります。
■リストビューの各項目の並び順を変更する
詳細表示にすると、ファイル名やフォルダ名の後ろにサイズ・更新年月日などが表示(読み上げ)されるようになりますが、この中から自分の必要な項目だけを表示するようにしたり、表示の順序を変更することが出来ます。
ちなみに、私は ファイルのサイズが、すごく後ろの方に並んでいてわかりずらいので、「名前」のすぐ後ろに表示されるように変更しています。
1.先ほどと同じ手順で、「表示」メニューにいどうします。
2.上矢印キーで「詳細表示の設定」を選んで、Enterキーを押します。 設定を変更するための ダイアログボックスが開きます。
3.リストビューにフォーカスされていて、縦一列に 名前・サイズ・更新日時・種類などの項目が並んでいます。
それぞれの項目にはチェックボックスが付いていて、Spaceキーでチェックのオンオフが出来るようになっています。
一般的な項目にはチェックが付いていますが、とくに必要な場合はSpaceキーでチェックを付けます。逆に表示の必要が無いと思う項目は、チェックを外すことも出来ます。
4.項目の並び順を変更するには、リストビューで変更したい項目にカーソルを合わせてからTabキーを押します。
※ショートカットキーでも変更出来ます。手順は後述。
5.順番に次の3個のボタンが並んでいますので、目的のボタンに移動して、Spaceキーを押します。
「上へ(U)」
「下へ(D)」
「非表示(H)」
6.上記のボタンをSpaceキーで押すと、フォーカスがリストビューに戻りますので、上下矢印キーで並び順を確認します。 自分の希望するとおりになるまで、この作業を繰り返します。
7.並び順の変更が終わったら、Tabキーで「OK」のボタンに移動してSpaceキーを押します。
■ショートカットキーで並び順を変更する
リストビューで、並び順を変更したい項目にカーソルを合わせて、次のショートカットキーで並び順を変更することが出来ます。
(リストビューの)上へ=Altキー+U
(リストビューの)下へ=Altキー+D
■具体的な並び順の変更の例
操作の例として、音楽ファイルの詳細表示で、ビットレートと演奏時間(長さ)を表示する方法について記します。
1.リストビューの中で「ビットレート」と「長さ」の項目を探します。
このリストビューの並び順は、ファイル/フォルダの一覧と同じ規則で並んでいます。
記号 英数字 アルファベット カタカナ/ひらがな 漢字
したがって最初は、ビットレートは、カタカナの ヒ の所に、長さは漢字の ち の所にそれぞれあります。
漢字の並び順は、音読み(おんよみ)で並べられているため、な ではなく ちょう の ち の所にあるということになります。
2.それぞれの項目が見つかったら、チェックの有無を確認して、チェックが付いていなかったら、Spaceキーを押してチェックを付けます。
3.Altキーを押しながらアルファベットのU を数秒間 押し続けます。
すると、リストビューの一番上まで項目が移動します。
この二つの項目は、リストのかなり下の方にあるため、1回ずつショートカットキーを押していたのでは日が暮れてしまうので、いったん一番上まで持っていってしまいます。
4.上下矢印キーで項目を確認しながら、今度はAltキー+D を押して、表示させたい順番の所まで移動させます。
5.二つの項目の並び順が決まったら、Tabキーで「OK」のボタンに移動して、Spaceキーを押します。
6.設定のダイアログボックスが閉じて元のリストビューに戻りますので、上下矢印キーを動かして、設定したとおりに読み上げるかどうか確認します。
読み方が以前と変わらない時は、F5キーを押して表示を更新するか、いったんそのフォルダを閉じてからもう一度開いてみて下さい。
■リストビューに「拡張子」と「隠しフォルダ」を表示させる
ここまで「コンピューター」を操作されてきた方は、既にお気づきかと思いますが、Windows7の「コンピューター」のリストビューには、特定の拡張子が表示されていません。
特に困るのが、アプリケーションの実行ファイル(プログラム本体)を表す拡張子 .exe が表示されていないことです。
インストール作業や、ショートカットの作成などの際に、この拡張子が表示されていないと、作業が出来ませんし、誤操作のおそれもあります。
また、拡張子が表示されていないと、ちょっと読み上げを聞いただけでは、フォルダと区別がつかない時もあります(特に急いでいる時)。
そこで、全ての拡張子を表示するように、設定を変更します。また、一緒に「隠しフォルダ」も表示されるようにします。
1.Altキーを押してメニューを開き、右矢印キーで「ツール」まで移動します。
2.上矢印キーを押して、「フォルダオプション」を選んでEnterキーを押します。 「フォルダオプション」のダイアログボックスが開きます。
3.Shiftキー+Tabキーで「タブコントロール」と読む所に移動して、右矢印キーで「表示」タブに移動します。
4.Tabキーを押して「詳細設定」のリストビューに移動します。
5.上下矢印キーで各設定項目を移動しながら、Spaceキーでチェックをオンオフしていきます。
6.「隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する」に、チェックをつけます。
※「スペース ア オン」と読むのが、チェックがオフの状態です。
7.「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外します。
8.Shiftキー+Tabキーを押して、「フォルダーに適用」のボタンに移動してEnterキーを押します。
※このボタンは、有効になっていない場合があります。その場合は音声では読みませんので、この手順は省略して下さい。
そして別のドライブやフォルダで、もう一度 設定をし直して下さい。
9.「フォルダーの表示のメッセージ この種類のフォルダーすべてについて現在のフォルダーの表示設定を適用しますか? エンターは はい Nは いいえ」というメッセージが表示されますので、Spaceキーを押します。
10.Tabキーで「OK」のボタンに移動して Spaceキーを押します。 これで設定完了です。
■「コンピューター」のウィンドウからツリービューを消す
ツリービューがくっついていると使いにくい、WindowsXPの「マイコンピュータ」のようにシンプルな方がいい、という場合は、次の方法でツリービューを消すことが出来ます。
1.「コンピューター」を起動します。
2.リストビューにフォーカスされていますので、Shiftキー+Tabキーで「整理 のプッシュボタン」と音声がするところまで移動します。
3.そこでSpaceキーを押します。 すると、プルダウンメニューが開きます(音声はありません)。
4.上下矢印キーで「レイアウト」の項目にカーソルを合わせます。
5.右矢印キーでサブメニューを開き、上矢印キーで「ナビゲーション ウィンドウ チェック」と読む所にカーソルを合わせます。
6.そこでEnterキーを押すと、「コンピューター」の左側にあったツリービューの部分が消えて、WindowsXPの「マイコンピュータ」と同じような画面になります。
操作性も、WindowsXPの「マイコンピュータ」とほぼ同じです。
※ここで、フォーカスが「整理」の所に残っている場合があります。その場合は上下矢印キーを押すと再びプルダウンメニューが開いてしまいます。
その時は、Tabキーを押して下さい。リストビューにフォーカスが移ります。
7.元に戻して再びツリービューを表示したい場合は、Shiftキー+Tabキーを押して「整理」のボタンまでゆき、消した時と同じ操作を行ないます。
■「コンピューター」に常にメニューバーを表示させておくには
「コンピューター」に常にメニューバーを表示させておくには、次の二つの方法があります。
「整理」のメニューから設定する
1.「コンピューター」を起動して、Tabキー または Shiftキー+Tabキーを押して、「整理 のプッシュボタン」と読む所に移動します。
2.そこで Spaceキーを押します。すると、「整理」のメニューが開きます。
3.上下矢印キーで「レイアウト」にカーソルを合わせます。
4.右矢印キーでサブメニューを開き、「メニュー バー」の項目を選んで Enterキーを押します。
もう一度「レイアウト」のサブメニューを開くと、「メニュー バー チェック」と読み上げます。この状態で、メニューバーが 常に表示されています。
「フォルダー オプション」のダイアログボックスから設定する
1.「整理」のメニューを開いて、「フォルダーと検索のオプション」を選んで Enterキーを押します。
「フォルダー オプション」のダイアログボックスが表示されます。
※「ツール」メニュー → 「フォルダー オプション」を実行した時に開くダイアログボックスと同じものです。
2.「表示」タブに移動して、詳細設定のリストビューで「常にメニューを表示する」の項目に、Spaceキーでチェックを付けます。
3.Tabキーで「OK」のボタンに移動して Spaceキーを押します。 ダイアログボックスが閉じて、設定完了です。
ファイルパスの取得
Windows7の「コンピューター」では、ファイルパスの取得が出来るようになりました。 XPでは専用のソフトを使っていましたが、Windows7で(数少ない)便利になったことのひとつです。
1.「コンピューター」のリストビューで、目的のファイルにカーソルを合わせます。
2.Shiftキーを押しながらApplicationキーを押します。
3.コンテキストメニューに、いつもとは違う項目=「パスとしてコピー」が表示されます。
この項目でEnterキーを押します。すると、ファイルのパスがクリップボードにコピーされます。
※注意:このメニューでコピーしたパスには、パスの前後に " " が付いてきます。パスにスペース(空白文字)が含まれる場合は " " で括る必要がありますが、そうでないパスには不要なので、何かに貼り付けて使用する場合は、貼り付けてから " " を削除して下さい。
デスクトップに「コンピューター」のショートカットアイコンを表示させる
WindowsXPでは、デスクトップに「マイコンピュータ」のショートカットアイコンがありましたが、Windows 7では、最初はデスクトップに「コンピューター」のショートカットアイコンがありません。
スタートメニューから、または Windowsキー+E で「コンピューター」を開くことは出来るのですが、ショートカットアイコンがデスクトップにあった方が便利 という場合は、次のようにして作成して下さい。
1.Windowsキーを押してスタートメニューを開き、右矢印キーを1回 押してから上下矢印キーで、「コンピューター」にカーソルを合わせます。
2.Applicationキーを押して、コンテキストメニューを開きます。
「デスクトップに表示」の項目を選んでEnterキーを押します。
これでデスクトップに「コンピューター」のショートカットアイコンが表示されます。
次からは、Windowsキー+D でデスクトップにフォーカスを移動して、そこから「コンピューター」を開くことも出来るようになります。
※PC-Talkerの場合は、Ctrlキー+Altキー+Tabキーでも、デスクトップにフォーカスを移動出来ます。
「コンピューター」の検索機能
Windows7の「コンピューター」や「ドキュメント」には、ファイル名やファイル内の文字列を検索する機能があります。
1.「コンピューター」を起動して、目的のフォルダを開きます。
2.F3キー、または Ctrlキー+F を押します。
または、Tabキーで「検索ボックス」まで移動します。
「検索ボックス のエディット 文字入力」とガイドされます。
3.そこにキーワードを入力すると、自動的に検索が開始され、これまでのファイルとフォルダの一覧から、検索結果が表示された画面に変わります。
日本語(全角)で検索したい時は、半角/全角キーを押して切り替えます。
4.Tabキー またはShiftキー+Tabキーで、「項目ビュー のリストビュー」と読む所まで移動します。
5.検索結果がタテ一列に表示されていますので、上下矢印キーで 目的のファイルを探します。
※「コンピューター」の表示を「詳細」に設定してある場合はタテ一列に表示されますが、表示設定が「アイコン」になっている場合は、横方向にも表示されます。
6.見つかったら、Enterキーを押せば そのファイルが開きます。
キーワードがうまくヒットせず、目的のファイルが見つからなかった時は、もう一度 F3キーを押して検索ボックスにフォーカスを切り替えます。
BackSpaceキー または Deleteキーで、前のキーワードを消してから、新しい検索キーワードを入力して検索し直します。
※前の検索キーワードを全て消すと、最初のファイルとフォルダの一覧のリストビューに画面が戻ります。
7.元のリストビューの表示に戻すには、BackSpaceキー または Altキー+左矢印キーを押します。ブラウザでページを戻る時の操作と同じです。
※上に書いたように、検索ボックスにフォーカスを戻してから、BackSpaceキーで検索キーワードを全て消すことによっても、元の画面に戻ります。
──本文 ここまで──────────