はじめに

ここでは、「WavePad」という音声編集ソフトを使って、USBメモリに録音したファイルから、1曲ずつ別のファイルに書き出していく方法を紹介します。
ただし、正直言って、私はこのソフトを使いこなしているとは言えず、試行錯誤しながら自己流で編集しています。
ですから、ここでの記述は参考程度ということで、正しい編集の仕方や詳しい使用法については、ソフトのマニュアルや解説サイトなどをお読みいただくようにお願いします。
また、既に他の音声編集ソフトを使っている方は、そのソフトをお使い下さい。

添付のソフト「Trans Music Manager」について

「DENON JP DP-200USB」には、「Trans Music Manager」というソフトが、CDで添付されています。このソフトには、録音した音源の自動/手動分割や、音源の波形から曲名やアーティスト名などを検索する機能があるとうたわれています。
ただ、このソフトは音声とキーボードで使うのは困難でした。そもそも、インストール自体が難しいのです。
上記の分割や検索機能にしても、ネット上の購入者のレビューを読むと、あまり期待出来ないようです。
というわけで、ここでは、ひたすら手作業で編集する方法について紹介いたします。

実践パソコン環境

OS : Windows7 Pro SP1 64bit
スクリーンリーダー : PC-Talker7 2.12
(2013年9月 現在)

WavePadのダウンロードとインストール

ダウンロード

下記の公式サイトにアクセスします。

多機能なのに使いやすい、音楽編集ソフトウェアをフリーダウンロード

ページを開いたら、

ご家庭でこのソフトをお使いの場合は、こちらから無料版をダウンロード

というリンクからダウンロードして、わかりやすい場所に保存します。
※Windows7の初期設定では、「ダウンロード」というフォルダが保存先として指定されています。

注意:
その前にある、
Windows用WavePad音楽編集フリーソフトをダウンロード
のリンクは、おそらくシェアウェア版だと思われます。こちらをダウンロードしてインストールすると、一定期間が過ぎると使えなくなる可能性があります(代金を払って購入すれば使い続けられますが)。

インストール

保存したインストール用ファイル「wpsetup.exe」を実行します。
UACの画面が出たら、許可を与えて下さい。

インストール中: WavePad 音声編集ソフト v 5.xx この利用規約に同意する(A)
というガイドが聞こえます(v 5.xx はバージョンの数字)。
「 同意する」のボタンを押して、次の画面に進みます。

次の画面は、WavePad以外のソフトや拡張ツールバーなどのインストールを促す画面です。 この画面は慎重に操作して下さい。
「全て選択」のチェックボックスをはじめ、全てのチェックボックスのチェックを外して下さい。

チェックを外したら、Tabキーで「終了」のボタンに移動して Spaceキーを押します。 これでインストール完了です。

インストールが終ると、WavePad本体が起動し、続いて ブラウザが起動して、「NCH ソフトウェア ホーム」のページが開きますので、とりあえず、両方とも閉じておきます。

インストールが終ると、Explorerのファイルメニューとコンテキストメニューに、「編集WavePad 音声編集ソフト」という項目が追加されます。

アンインストール

WavePadのアンインストールは、「プログラムと機能」または「プログラムの追加と削除」から行なって下さい。

録音したデータをパソコンに取り込む

まず最初に、録音したファイルを保存して編集するための専用のフォルダを作成しておくことをおすすめします。 私は、「マイミュージック」の中に「DENON」というフォルダを作成しています。

プレイヤーから取り外したUSBメモリを、パソコンのUSB端子に差し込みます。

ここから先は、パソコンの環境や設定、ファイルをコピーする手順など、それぞれで違うと思いますが、私の例を書いておきます。

「自動再生」のダイアログボックスが開き、「フォルダーを開いてファイルを表示 - Explorer使用」にカーソルが合っているので、そのまま Enterキーを押します。
Explorerが起動して、USBメモリの中のファイル/フォルダの一覧が表示されます。

USBメモリの中に、「AUDIO」というフォルダが作成されています。

「AUDIO」のフォルダを開くと、中に、「AUDIO000.MP3」「AUDIO001.MP3」という名前の MP3ファイルが入っています。
※A面とB面が別のファイルに保存された場合は二つのファイルに、一つのファイルにまとめて保存されてしまった場合は、「AUDIO000.MP3」という一つのファイルになっています。

「AUDIO000.MP3」というファイル名を、わかりやすいファイル名、たとえばアルバムのタイトルなどに変更しておくことをおすすめします。
※ここで名前を変更しない場合は、後から録音されたファイルは、「AUDIO002.MP3」「AUDIO003.MP3」〜というように、ファイルの連番が一つずつ大きくなっていきます。

ここでは例として、「BEATLES.MP3」という名前に変更したことにして説明を続けます。 BEATLESは、沢山のアルバムがリリースされているから、「BEATLES」だけではわからないぞ、というような突っ込みはしないで下さい。あくまでも説明する上での都合なので。

「BEATLES.MP3」にカーソルを合わせて、Explorerの編集メニューから「フォルダーへコピー」を実行して、先ほど紹介した保存&編集のためのフォルダ「DENON」にコピーします。

USBメモリを取り外して、Explorerを閉じます。

■録音したファイルの再生についての注意

USBメモリに録音されたMP3ファイルは、「GOM PLAYER」や「Media Player Classic」などのプレイヤーでは再生できない場合があります。 その時は、「Windows Media Player」で再生して下さい。

WavePadで編集する

ファイルの読み込み

WavePadを起動してから、ファイルメニューの「ファイルを開く」から読み込むことも出来ますが、ここでは、Explorerのメニューから読み込む方法を説明します。

Explorerを起動して、コピーしておいた録音データの入っているフォルダを開きます。

編集したいファイル「BEATLES.MP3」にカーソルを合わせて、Altキーを押してメニューを開くか、または Applicationキーでコンテキストメニューを開きます。

上下矢印キーで「編集WavePad 音声編集ソフト」を選んで Enterキーを押します。

WavePadが起動して、次のようなダイアログボックスが現れます。
WavePad 音声編集ソフト 無料版のメッセージ * WavePad 音声編集ソフト は、非営利目的でのみお使いいただけます。 以下のいずれかを選択してください: エンターは このプログラムは、家庭で非営利を目的として使用していることを証明します 営利目的でのご使用におけるライセンス価格を表示: マスター版

このプログラムは、家庭で非営利を目的として使用していることを証明します
のボタンにフォーカスされていますので、そのまま Spaceキー、または Enterキーを押します。すると、ダイアログボックスが消えて、操作可能な状態になります。
このダイアログボックスは、起動する度に現れます。うっとおしいのですが、無料で使っているので仕方がないとあきらめて下さい。

ファイルが読み込まれる時に、読み込みのダイアログボックスが表示され、ファイルを読み込んでいる旨のメッセージ(音声)が聞こえます。

読み込みが終ると、
WavePad 音声編集ソフト (ライセンス無し)ご家庭での……
という音声ガイドが聞こえます。

このガイドが聞こえない場合は、タイミングを見計らって Altキーを押します。
「ドキュメント ウィンドウ」とガイドされれば、読み込みのダイアログボックスが閉じて、本体のウィンドウが操作可能な状態になっています。

必要な部分だけを取り出して別のファイルに保存する

曲の先頭の部分にマークを付ける

ファイルが読み込まれて、操作可能な状態になったら、右矢印キーを押しっぱなしにします。
カーソルが右に移動して、最初の曲の先頭部分の音が、早送りの状態で聞こえてきます。

適当な所で右矢印キーから指を離します。
カーソルの移動が止まり、音も止まります。

今度は 左矢印キーを押しっぱなしにします。
カーソルが左に移動して、巻き戻しの状態で音が聞こえます。

音が途切れた(無音になった)所で、左矢印キーから指を離します。
カーソルは、指を離した位置で止まっています。

Altキーでメニューを開き、右矢印キーで「編集」まで移動します。

上矢印キーで「最初の位置をマーク」を選んで Enterキーを押します。
ショートカットキーは Ctrl+1 です。

曲の末尾の部分にマークを付ける = 範囲選択

再び、右矢印キーを押しっぱなしにします。
カーソルが右に移動して、先頭の曲の音が、早送りの状態で聞こえてきます。

次の曲との間で、音が途切れた(無音になった)所で、右矢印キーから指を離します。
カーソルの移動が止まり、音も止まります。

Altキーでメニューを開き、右矢印キーで「編集」まで移動します。

上矢印キーで「2番目の位置をマーク」を選んで Enterキーを押します。
ショートカットキーは Ctrl+2 です。

これで、先頭の曲のアタマと終わりの部分にそれぞれマークが付き、同時に、最初にマークした所から、2番目にマークした所までが範囲選択された状態になります。

選択された部分をファイルに書き出す

Altキーでメニューを開き、右矢印キーで「編集」まで移動します。

上下矢印キーで「選択した領域に名前を付けて保存」を選んで Enterキーを押します。 ファイルの保存のダイアログボックスが開きます。

※Windows7の、ファイルの保存のダイアログボックスは、WindowsXPとはかなり様子が違っています。
参考:Windows7の「ファイルを開く」のダイアログボックス

Shiftキー+Tabキーで、フォルダーのツリービューまで移動して、保存先を確認 または変更します。

ファイル名のボックスには、あらかじめ名前が入力されていて、「BEATLES-領域-001」というように、元のファイル名の後ろに、「-領域-00x」という連番が負荷されています。

ファイルの種類が、「MPEG Layer-3 (*.mp3)」になっているかどうか確認します。 なっていなかったら、上下矢印キーで選択して Enterキーで決定します。

Tabキーで「保存」のボタンに移動して Spaceキーを押します。

「保存中...のメッセージ WavePad c NCH Software エンターは キャンセル」
という音声が出ますが、この保存のダイアログボックスの他に、もう一つ、「MP3 エンコーダ設定」というダイアログボックスが画面に表示されています。

これは、保存するファイルのビットレートなどを指定するためのダイアログボックスです。 Tabキーで 下記の項目を移動しながら設定して、最後に「OK」のボタンを押します。

ラジオボタンで「固定ビットレート」を選択して、「ビットレート」のドロップダウンリストを確認して下さい。
最初は 128(kbps) になっていると思いますので、プレイヤーで録音した時のビットレート 192(kbps)に変更して下さい。
そのほかの項目は、お好みや必要に応じてどうぞ。

※このダイアログボックスは、一度 設定すると、次からはその設定が引き継がれますので、Shiftキー+Tabキーで「OK」のボタンに移動して Spaceキーを押します。
このダイアログボックスを出ないようにする設定があるのかもしれませんが、まだ見つけられません。

ファイルが保存されるまで少し時間がかかりますので、タイミングを見計らって Altキーを押します(ダイアログボックスが消えても何も音声が出ません)。
「ドキュメント ウィンドウ」とガイドされれば、保存のダイアログボックスが閉じて、本体のウィンドウが操作可能な状態になっています。

範囲選択を解除する

Altキーでメニューを開き、右矢印キーで「編集」に移動します。

上下矢印キーで「何も選択しない」を選んで EnterKeyを押します。
これで、先ほどの選択範囲の選択状態が解除されます。

次の曲を書き出す

カーソルは、先ほど停止して2番目のマークを付けた所にありますので、また右矢印キーを押しっぱなしにして、2曲目の最初の音まで進めます。

2曲目の最初の音が聞こえたら、右矢印キーから指を離して、左矢印キーで無音の所まで戻します。

Altキーでメニューを開き、右矢印キーで「編集」まで移動します。

上矢印キーで「最初の位置をマーク」を選んで Enterキーを押します。
ショートカットキーは Ctrl+1 です。

ここから先は、先頭の曲と同じ手順で、曲ごとに書き出していきます。 これを、曲の数だけ繰り返します。

編集に失敗した時は

こうして書き出したファイルに、余計な無音部分が長く含まれていたり、二つの曲を一つのファイルに書き出したりしていた時は、個々のファイルを読み込んで、それぞれ編集し直して下さい。

マークした部分が不適切で、音が途中で切れていたりした時は、最初に読み込んだ元のファイルがそのまま残っていますので、もう一度その曲の書き出しをやり直して下さい。

ファイルの先頭/末尾の不要な部分を削除する

書き出したファイルの先頭や末尾に、不要な無音の部分が多く含まれている時は、以下の手順で、その部分を削除して下さい。
ただし、録音した元のファイルは、なるべく そのまま保存しておくことをおすすめします。
無音の部分を削除する場合も、ギリギリの所で削除するのではなく、少し余裕を持たせて削除しましょう。
なにしろ、ヘタをすると、二度と入手することの出来ない音源かもしれないので。 出来れば、外付けのハードディスクなどに、最初に録音したデータをバックアップしておくことをおすすめします。

先頭の不要な部分を削除する

ファイルを読み込んだら、右矢印キーを押しっぱなしにして、先頭の部分の音を聞きます。

右矢印キーから指を離して、Ctrlキー+1 を押して最初のマークを付けます。

Shiftキー+Homeキーを押します。
これで、ファイルの先頭からマークした部分までが範囲選択されます。
※ノートパソコンなどで、Homeキーが無い場合は、Shiftキー+FNキー+左矢印キーを押して下さい。

Deleteキーを押して、選択した部分を削除します。

Spaceキーを押して再生し、結果を確認します。

うまく削除出来ていたら、ファイルメニューから上書き保存します。 うまくいっていなかったら、編集メニューから「元に戻す」を実行して元の状態に戻してから、もう一度 同じ作業を繰り返します。

末尾の不要な部分を削除する

ファイルを読み込んだら、Endキーを押します。
カーソルが、画面の一番右(ファイルの末尾)まで移動します。

最後の部分の音が聞こえる所まで、左矢印キーを押しっぱなしにします。

音が聞こえたら左矢印キーから指を離して、今度は右矢印キーを押しっぱなしにします。

音が聞こえない 無音の部分まで来たら、右矢印キーから指を離します。
Ctrlキー+1 を押して最初のマークを付けます。

Shiftキー+Endキーを押します。
これで、マークした所からファイルの末尾までが範囲選択されます。
※ノートパソコンなどで、Endキーが無い場合は、Shiftキー+FNキー+右矢印キーを押して下さい。

Deleteキーを押して、選択した部分を削除します。

カーソルが、ファイルの末尾(画面の右端)にありますので、左矢印キーを押しっぱなしにして、適当な所まで戻します。
Spaceキーを押して再生し、結果を確認します。

うまく削除出来ていたら、ファイルメニューから上書き保存します。 うまくいっていなかったら、編集メニューから「元に戻す」を実行して元の状態に戻してから、もう一度 同じ作業を繰り返します。

曲名の情報を入手してファイル名を変更する

こうして編集したファイルには、やはり本来の曲名を付けたいものです。最初の方で書いたように、添付のソフトが使えないため、私は次の方法で曲の情報を入手して、コツコツと手作業でファイル名を変更していきました。

インターネットから情報を入手する

アナログレコードと同じ音源がCD化されているものは、Amazonなどのサイトで、曲の情報をそのまま入手することが出来ます。
また、中古レコードや輸入盤を扱っている店のサイトからも、いくつか情報を入手することが出来ました。 それから、これは数は少ないのですが、音楽好きの個人のブログからも、情報を入手することが出来ました。

うまくヒットしたら、曲目リストをコピーして、それを元にファイル名を変更していきます。
というわけで、まずはネット検索をフルに活用して下さい。

ジャケットやライナーノーツから情報を入手する

ネットで探しきれないものについては、ジャケットやライナーノーツから情報を入手します。
私は最初、ジャケットやライナーノーツをスキャナにかけて、OCRソフトで認識させようとしたのですが、これはあまりうまくいきませんでした。

そこで、友人をビールとギョーザで買収して、ジャケットやライナーノーツの曲目を読んでもらいながら、MyEditにメモしていき、それを元にファイル名を変更していきました。

 

─ 本文 ここまで ─