音声ユーザーのためのWindows7の設定と操作
「問題ステップ記録ツール」で操作の手順を記録する

はじめに
「問題ステップ記録ツール」の操作
「問題ステップ記録ツール」の設定
 

■はじめに

Windows7には、「問題ステップ記録ツール」という新しい機能が追加されています。
これは、実際にアプリケーションや設定のダイアログボックスなどを操作しながら、その手順を記録していくツールです。
これまで、デスクトップ画面をキャプチャ(画像として保存)するためには、PrintScreenキー またはAltキー+PrintScreenキーを押して画像をクリップボードにコピーし、それを「ペイント」などに貼り付けてから、ファイルとして保存しなければいけませんでした。
それがこのツールを使えば、普通にアプリケーションなどを操作するだけで、自動的にデスクトップ画面が保存され、その時の操作の内容(マウス・キーボード)も同時に記録されて、ひとつのファイルに保存されます。
このファイルは、Internet Explorer専用のアーカイブファイルで、ファイルを実行すると、Internet Explorerが起動して、Webページと同じように表示されます。
※パスワードなどを含めて、テキストボックスなどに入力した文字は記録されません。

パソコンを使っていると、トラブルやエラーは付き物です。また、操作に迷ったり、途中でわからなくなったりもします。
そんな時、晴眼者の友人や知り合い、またサポートをしてくれる人がいれば、このツールを使って記録した内容を、例えばメールに添付して送って見てもらい、アドバイスしてもらう…ということも可能になります。
また、あの悩ましい「画像認証」の問題も、このツールをうまく使えば解決出来るかもしれません。

参考: WindowsXPの場合は手作業で行ないます。
エラー・トラブルが起きた時に、その画面を画像として保存しておく
http://talk-pc.sakura.ne.jp/totuzen.html#Screenshot

■「問題ステップ記録ツール」の操作

1.Windowsキーを押してスタートメニューを開きます。

2.「プログラムとファイルの検索」のテキストボックスに、
PSR
と入力します。または、半角/全角キーを押して日本語入力に切り替えてから
問題
と入力します。

3.検索結果が表示されますので、下矢印キーで、
  PSR.exe
  問題を再現する手順の記録
のどちらかを選んでEnterキーを押します。

4.「問題ステップ記録ツール」が起動します。
このツールのウィンドウには、4個のボタンがあります。しかし、Tabキーや矢印キーではボタンを選択することが出来ません。
それぞれのボタンを押すには、ショートカットキーを使います。

  記録の開始=Altキー+A
  記録の停止=Altキー+O
  コメントの追加=Altキー+C
  ヘルプ=Altキー+G(golf)

※Altキー+G(golf)を押すと、プルダウンメニューが開きます(音声はありません)。
このメニューには、次の項目があり、上下矢印キーで選択してEnterキーで実行します。 …と言っても「設定」以外は、ほとんど使い道はありませんけど。
  ヘルプ 設定 電子メール受信者に送信 管理者として実行 バージョン情報
このうち、「設定」を選んでEnterキーを押すと、設定のダイアログボックスが開きます。
設定については、 「問題ステップ記録ツール」の設定 をお読み下さい。
「電子メール受信者に送信」というのは、すごく便利そうなのですが、Windows Live Mail 以外のメールソフトではこの機能は使えません。
また、「コメントの追加」は、マウスでデスクトップ画面の中から必要な部分を切り取って、それにコメントを付ける、という機能のようです。したがって、キーボードでは操作出来ません。
しかし、これ以外の2個のボタンを使えば、目的は果たすことが出来ます。

5.「問題ステップ記録ツール」が起動したら、Altキー+A を押して記録を開始します。

6.目的のアプリケーションを起動します。
※はじめにアプリケーションを起動しておいてから「問題ステップ記録ツール」を起動してもかまいません。

6.目的の操作を行ないます。この操作は普通に行なって下さい。
ひととおり操作が終わったら、アプリケーションを閉じます。

7.Altキー+O を押して記録を停止します。
すると自動的に、ファイルを保存するためのダイアログボックスが現れます。
ファイル名を入力するテキストボックスに フォーカスされていますので、適当な名前を入力します。
ここでは仮に「test」という名前にして話を進めます。
※アプリケーションを終了させた時に、「問題ステップ記録ツール」にフォーカスが切り替わらない場合があります(Windows7では頻発します)。
ですから、Altキー+Tabキーを押して、ツールがアクティブになっていることを確認してからこの操作を実行するようにして下さい。

8.保存先は、最初はデスクトップが指定されています。そのままで良ければ、Tabキーで「保存」のボタンに移動して、Spaceキーを押します。
※保存する場所を変更したい時は、ダイアログボックスを操作して変更して下さい。
ここでは初期値のまま、デスクトップに保存することにします。

9.続いて「問題ステップ記録ツール」を終了させます。
Altキー+F4キーを押すか、またはAltキーでシステムメニューを開き、上矢印キーで「閉じる」を選んでEnterキーを押します。

10.デスクトップに、「test.zip」という名前の、zip形式に圧縮されたファイルが作成されています。
Windowsキー+D でデスクトップにフォーカスを移動してから、上記のファイルのアイコンにカーソルを合わせてEnterキーを押します。
※この方法で展開(解凍)されない場合は、カーソルを合わせたままApplicationキーを押します。
コンテキストメニューが開きますので、上下矢印キーで「全て展開」を選んでEnterキーを押します。すると展開するためのウィザードが起動しますので、その指示に従って操作して展開して下さい。

11.上記のファイルが展開されると、同じくデスクトップに「test」というフォルダのアイコンが作成されますので、カーソルを合わせてEnterキーを押します。

12.Explorerが起動して、フォルダを開きます。中には「Problem_20101203_1936.mht」というファイルが入っています(20101203_1936 というのは、記録した日付と時刻です)。

13.上記のファイルにカーソルを合わせてEnterキーを押します。
すると、Internet Explorerが起動して、記録された操作やウィンドウの内容を表示します。
※「.mht」という拡張子のファイルは、Internet Explorerだけで開くことの出来るファイル形式です。
Internet Explorerに表示されるのは、操作を行なったウィンドウの画面をキャプチャしたものと、操作の内容です。
操作の内容は次のように記録されています(この部分は音声で確認出来ます)。

問題ステップ 5: (2010/12/03 19:22:04)
ユーザーによるキーボード入力 ("MYMAIL" 内) [Down Shift-Up Delete]

「問題ステップ記録ツール」の設定

設定項目は次の3項目で、Tabキーを押して移動しながら設定します。

出力場所
記録した後でファイルの保存を求めるメッセージが表示されないようにする場合は、「参照」ボタンを押します。
すると、ファイルを開くダイアログボックスが現れますので、ファイル名を入力してから、出力先を指定して、「保存」のボタンを押します。
…って 要するに最初に出力先をここで指定しておくか、後で指定するかというだけの違いですね。

画面の取り込みを有効にする
ここはラジオボタンになっていて、矢印キーで「はい」と「いいえ」のどちらかを選択するようになっています。
「いいえ」を選択すると、画面はキャプチャ(保存)されません。
たとえば、ネットバンキングで 預金残高や入出金明細が表示されているページでの操作を記録する時などは、ここのラジオボタンを「いいえ」に設定します。

保存する最近取り込んだ画面の画像の数
既定値は25枚になっています。もっと枚数が必要になるかもしれないと思う場合は、テキストボックスに入力されている 25 という数字を削除して、必要と思う枚数を入力します。

最後に、Tabキーで「OK」のボタンに移動して、Spaceキーを押して設定完了です。

#注意: この設定は、ツールを終了させると元に戻ってしまいます。つまり、この一回の操作の間だけしか有効になりませんので注意して下さい。


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■最終更新日:2010年12月7日  © 2008 yanikun.